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情報の往来

by orie1166

 自身でゲストハウスを運営する中で、理想とするゲストハウスは「情報の往来があること」というのが第一条件にあります。これは自身がゲストハウスを開業しようとするもっともっと前、自分で"何か"をやりたいと漠然と考えていたころ、「情報の往来」という部分だけ先に決まっていました。おそらく20代のころに水族館で電話インフォメーションや観光客相手の案内業体験したり、海外でツアーガイドやフリーペーパーの編集、日本の旅館のフロントなどで勤務した経験から、相手が求めているストライクゾーンど真ん中に自分が持っている情報というボールを投げ込め、それが喜ばれた経験があったからだと思います。

 先日、1ヶ月ほど旅をされている知人と長野駅近くで飲む機会がありました。私より少し年上のその方は、1ヶ月の旅の合間にビジネスホテルやゲストハウスなどを宿泊所として使われたそう。その方のゲストハウス宿泊体験は私が理想としているものとは大きく違ったようで、その土地ならではの情報をもらうということはなかったそう。

 玉石混淆というと言い過ぎかもしれませんが、やはりコンセプトの違いから、ゲストハウスを「ゲストハウス」と一括りにしてしまうとミスマッチが起こります。そのあたりを一緒くたにして「ゲストハウス」と読んだ場合、うちのドミトリー1泊3500円という価格は、安くない(正確に言うと、ゲスト一人一人に向き合って営業しているゲストハウスはもう少し値段を上げているように思います。それでもニーズがある)。値段だけで考えると、(うちよりもスペックがよくて)安い宿はたくさんあります。では1166バックパッカーズは何で勝負をするかというと、やはり情報量で勝負をしたい。盲目的にただチェックイン作業をして、宿泊代をいただいて、部屋にお通しして...ではなく、ゲストそれぞれのストライクゾーンにボールを投げたい。

 ただそれに対しての課題も多いわけです。先日、大学生と先生が論文の聞き取り調査として来館してくださり、宿のことをいろいろと質問されたわけなのですが、そこで話したこと。自分が宿の現場に立っていた際は、やはりそれなりに長くこの場で生活し、営んでいるので、持っている情報のカードが多かった。各カードの深みみたいなものも意識していた。例えば飲食店ならば「この店のこれが美味しい」だけではなく、「この店はいつオープンして、どんな店主が経営しているか」、景色であれば「この季節にここから見る○○が美しい」など。

 しかし子育てをするようになると、宿の現場をスタッフに任さざるを得ない。スタッフは1~2年ほどで入れ替わるので、どのように手持ちのカードを増やしてもらうか、そこが課題。情報量で勝負できないとすれば、ただ単にスペックが悪い割に安くない宿、になってしまう。

 誤解のないように言うと、スタッフは限られた時間のなかで、一生懸命に彼らの時間を1166バックパッカーズで働くことに費やしてくれている。私が比較的放置してしまっているにも関わらず、自分たちの足で動き、アンテナを張って、小さなこともゲストに伝える努力をしている。もう一歩、ゲストに喜んでいただけるには何ができるか、どういう整備をしないといけないかというのは、店主の私がもっと向き合ってゆかないといけない問題。

 なんだかそんなことを考えています。ちゃんちゃん。

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